現在の日本は「デフレ時代」が続いており、双方にとって苦い思い出でしかない自宅を早急に売却したいという意向がある場合には、売却処分時に発生する資産ロスとその処理に困難が伴う。特に、売却額がローンの未返済部分を下回ってしまった場合、つまり借金だけが残ってしまうようなケースでは問題がさらに大きくなる。首都圏における自宅の売却による築年別の損得額をみると、その多くで、大きな損失が発生していることがわかる。離婚する夫婦の場合、いまわしい「愛の巣」を、一刻も早く処分したいという感情から、自宅の売却を急ぐ場合も少なくない。この場合には、売却額よりも売却までの時間を優先することになり、損失がさらに広がることにもなりかねない。いずれにせよ、現在の日本の社会規範が大きく変化していることを考えると、この先、離婚する夫婦の率が高まることはあっても、大きく下がるとは考えづらい。つまり離婦を契機とする自宅の売却という現象は、今後も続くことが予想され、不動産市場に少なからぬ影響を与えるかもしれないのである。
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