私がインスペクターの仕事を始めたのは今から10年ほど前からですが、当時はハウスメーカーの生コンクリート打ちの現場で、生コンクリートの現場採取による品質検査を実施しているメーカーはありませんでした。工事監督者は検査そのものも知らないという有様でした。生コンクリートはプラントメーカーで規定どおりに配合し、ミキサー車で現場まで搬送するのですが、JIS認定工場であればそれだけで信用して生コンクリートを流し込むハウスメーカーがほとんどでした。ミキサー車ごとに納品伝票を発行し、納品伝票には決められた強度とスランプ値、ミキサー車の出発時間と現場到着時間が明記されていますが、その伝票さえチェックしない監督が多かったのです。まずミキサー車の出発時間と到着時間ですが、外気温度によりミキサー車が出発してから生コンクリート打ち込み完了までの時間制限があります。この制限時間を超えた生コンクリートは使用してはいけないのです。スランプ値とは、生コンクリートの柔らかさの規定値です。硬すぎず柔らかすぎずの状態で流し込まないといけません。納品伝票にスランプ値18センチと書かれていても、本当にその値の通りになっているのかを流し込む前に確認すべきです。実際に私が立ち会った現場では、規定値を超えているためにミキサー車をプラントメーカーにそのまま返した事例がたくさんあります。
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