不動産投資信託は資金量の振幅の激しい商品

2011.10.07

不動産投資信託は、地価に対してどのような影響を持つのだろうか。不動産業者が不動産に疎い金融機関を説得するのでなく(ただし、投資法人J−REITが直接従来型の借入を行なう部分についてはこの限りではない)、不動産業のプロとの話し合いで資金調達ができることとなった。採算の合う事業であれば、調達に時間もかからないし、金融機関の資金繰りの影響、皺寄せを受けることもない。しかし、一見、不動産会社にとって複数の調達ラインができることは大変なメリットのように見えるが、よく考えると、小口資金−銀行−不動産会社−不動産投資が、小口資金−不動産投資信託−不動産投資に置き換わっただけのことである。それならば、不動産会社にとって不動産投資信託より体が大きく、懐の深い銀行資金のほうが、安定的な資金源になるのではないだろうか。商品化されてから間がなく、まだ金融引締期を経験していない不動産投資信託が、金融引締期にどのように小口資金を多量に集めることができるか、大いに見ものといってよいだろう。また、日本経済全体の経済環境と同時に、個別産業としての不動産業全体によっても小口資金の導入が左右されよう。米国でも九〇年代に実物不動産の流動性が低迷した時期、REITが大いに活用されたが、九〇年代終わり頃には不動産の流動性が高まり、相対的にREITに頼る必要が低下したことがある。全体としての資金量が縮小するときにも、他の投資商品に比べて不動産投資信託が優位性を保ち、必要供給量が確保できるか、読みにくい面が多い。いずれにせよ、非常に資金量の振幅の激しい商品と考えておく必要があろう。

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