確か営業マンにもその場で、遠回しながらその意向を伝えたと記憶しています。ところが、その晩だったか翌目だか、ほどなくして営業マンから電話がかかってきたのです。私が、北側の騒音が気になるので見合わせたい、と伝えると、「では特別に、中島さまなら百万円値引きすることも考えますが、いかがでしょうか」。百万円。いとも簡単に百万も下がるって、どういうこと?その時は訳がわかりませんでしたが、今ならわかります。売れ残っている部屋だったのです。
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こうして内覧を繰り返しても何力月も売れ残ってしまうくらいなら、百万でも値引きして早く売ってしまいたい。それがディベロッパーの本音でしょう。そう考えると、百万どころではなく、さらなる値引き交渉にも応じてくれたかもしれません。しかし、当座の百万を得したところで、あの部屋には住みたくなかった。始終車の騒音を聞かされる暮らしが続くのは、たまりません。あの程度なら気にならない人もいるのでしょうが、私はダメでした。ことほどさように、値引きを持ち出す部屋には、なかなか売れないなど何か理由があると思ったほうがよさそうです。今の経済、社会状況は私が買った当時より悪いので、値引き交渉がもっと一般的になっているかもしれませんが、値引きに飛びつくのでなく、値引きをしてまで売りたい理由があるのかな……という見方もしてみると、ミスチョイスを防げるのではないでしょうか。